賞与に対する源泉徴収
〔 H22.6.2 〕
1.給与と賞与で全く異なる源泉徴収
給与や賞与を支給する時には、所得税の源泉徴収をしますが、賞与からの源泉徴収は毎月の給与からの源泉徴収とは計算方法が違います。
毎月の給与からの源泉徴収は、その給与の金額に比例して増減しますが、賞与からの源泉徴収は、基本的には賞与自体の金額には関係なく計算される仕組みになっています。
2.賞与からの源泉徴収
賞与からの源泉徴収は、社会保険料控除後の賞与の金額に一定の率を乗じて計算されます。この一定の率は、賞与支給月の前月中の「給与」の金額と扶養親族の数に応じて決められています。
3.特殊なケース
前述のとおり、賞与からの源泉徴収は、賞与の金額に無関係に、前月の給与の金額によって税率が決定されることになるため、年末調整の際に不都合が生じる場合があります。
極めて特殊なケースですが、賞与の形で支給される金額がとても大きい給与制度になっている場合などで、例えば前月の給与
は5万円程度でも、賞与は300万円の人が
いたとします。月給が5万円の場合は賞与に乗じる率は0なので、300万円の賞与に対して源泉徴収税額が0ということが起こり得ます。このようなケースでは、年末調整の際に高額な源泉所得税額を追加で徴収しなければならなくなります。
そこで、このような不都合を避けるために、特例が定められています。
4.特例の計算
前月中の給与がない場合や賞与の金額が前月中の給与の金額の10倍相当額を超える場合等には、前述の方法によらずその賞与の金額を6分の1(賞与計算の基礎期間が6カ月を超える場合は12分の1)にしたうえで、毎月の給与の源泉徴収と同様に計算した源泉徴収を行います。
この特例計算によって、前述のような特殊なケースでも、源泉徴収税額が過少となる不都合を避けることができます。
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