法人税法上の役員
役員の範囲が広い
〔 H22.4.5 〕
会社が従業員に支払う給料・賞与は、原則、その支給時期、支給額等の如何を問わず、費用として損金の額に算入することができます。しかし、役員ともなると、給料については定期同額、賞与に関しては事前確定届出といったその支給形態等について一定の要件を満たさなければ損金の額に算入されません。
税法上の役員が会社法上の役員よりその定義が広いため、うっかり、従業員と思っていた者が役員に該当し、結果、その者に支払っていた給与・賞与の一部が損金不算入になってしまうことがあり、役員の是非について慎重な対応が必要かと思います。
税法上の役員となる人
役員と言えば、会社法上の役員(取締役、監査役、執行役、会計参与など)を言いますが、これらの役員は、当然、法人税上の役員です。
税法特有の役員とは、役員の肩書きがなくても、事実上、会社の経営に関与している人で、例えば、会社法上の役員でありませんが、会長、相談役、顧問といった肩書きで経営に従事している人、また、同族会社の従業員になっているけれど、一定の持株割合を超える株を持っている人で、経営に従事している人などが該当します。
これらの人を法人税法では「みなし役員」と言います。
会社の経営に従事するとは
「みなし役員」に該当するかどうかは、経営に従事していることが要件です。「経営に従事している」とは、経営上の重要な意思決定に参画していることで、具体的には、資金調達等の決定、新規事業や設備の決定、事業の撤退、重要な契約に関する決定、価額の決定、主要な取引先の選定や変更などが上げられます。
使用人兼務役員とは
役員の中には、取締役営業部長・経理部長・工場長などの肩書で、役員でありながら従業員としての職制上の地位を持ち、かつ、常時使用人として職務に従事している人がいます。このような人を「使用人兼務役員」と言います。この兼務役員の使用人としての賞与の損金算入については、その支給に関して一定の制約があります。なお、代表取締役など一定の役員、同族会社の役員で一定の持株割合を超えている人は、使用人兼務役員にはなれません。
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