税金と社会保険料の徴収一元化
〔 H21.12.21 〕
歳入庁という官庁
民主党政策集 INDEX 2009によると、社会保険庁は解体廃止され、国税庁に吸収合併されることになります。国税庁は新たに「歳入庁」という名称に変更されます。
その上で、次のことをするとしています。
@税と保険料を一体的に徴収し、未納・未加入をなくす
A所得の把握を確実に行うために、税と社会保障制度共通の番号制度を導入する
B国税庁のもつ所得情報やノウハウを活用して適正な徴収と記録管理を実現する
こわもての歳入庁にならないか
国税庁と一体化させることによって、国税庁のノウハウや所得情報を活用し、国民年金の納付率・厚生年金の加入率を向上させる、と言っているので、社保未加入零細企業などは心配しています。
個人事業所での社会保険
個人事業所は従業員5人以上のとき社会保険の強制適用事業所となります。
社会保険は被用者保険ですから、従業員は厚生年金・健康保険の被保険者になり、そしてその保険料の半分は事業主の負担になるものの、個人事業主はこれら社会保険の被保険者にはなれません。
年金保険の保険金の落差
個人事業主の加入する国民年金の保険金は最高にもらえても年額80万円弱です。
雇われている被用者が入る厚生年金の場合、平均的な人のモデル年金は月額24万円とされています。
この数字の差には唖然とするものがあります。自分の事業所で働いている従業員は将来月額24万円の年金を受け取れるのに、その保険料の半分を負担している自分は月額6万6千円しかもらえないのです。
給付つき年金保険料税額控除の提案
厚生年金の加入義務付けを厳しくするのなら、自立して頑張っている個人事業者が、他人を雇用して給与を支払った場合、支払給与に係る社会保険料の事業主負担分を経費としてではなく、「給付つき税額控除」とすることができる、というような制度にでもしてくれないと、歳入庁は零細企業いじめの官庁に必ずなってしまいます。
社保未加入零細企業にムチだけの政策を採らないことを願うばかりです。
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